高浜七年祭 祖母の思い出を探す旅
- 三宅里菜
- 6月27日
- 読了時間: 3分
更新日:7月7日
皆さま、お元気ですか?🌻
本日の担当は、三宅里菜です☀️
先週、少しお休みをいただき、実家のある福井へ帰省しておりました🚅
そして今回は、父方の祖母のたっての願いで、祖母が幼い頃を過ごした福井県の高浜町へ足を運び、「高浜七年祭」を見に行ってきました。
高浜七年祭は、福井県の嶺南地方に古くから伝わるお祭りで、十二支のうち「巳」と「亥」の年にあたる、6年に一度(数え年で7年ごと)に開かれます。
神輿の巡幸を中心に、曳山芸能、太刀振り、神楽、お田植え、俄などの芸能が、昼も夜も7日間にわたり繰り広げられる、まさに“暮らしに根ざした芸能の祭典”でした‼️
同じ福井県でも、私の住む嶺北とは言葉も雰囲気もまるで違っていて、まるで京都のような雅な空気。言葉も私たちがいつも使っている福井弁ではなくて、柔らかな京言葉に近くて驚きました😳
何より感動したのは、お祭りの「あり方」でした。
屋台も出店もなく、ただ地域の方々が総出で、舞台をつくり、踊り、迎え、もてなしてくださっている。
子どもたちが精一杯に踊る舞台のそばでは、軽食やお酒がふるまわれ、観ている私たちも、いつの間にか祭の輪に包まれていました🪭

「次にこの子たちが舞台に立つときは、もう中学生かもしれない。」「そのまた次は、大人になって、親になっているかも。」
そう思いながら見つめる舞の光景に、お祭りの中で伝統が受け継がれ、命もまた繋がっていく、その時間の流れの美しさを感じました。
この高浜の町は、祖母が幼いころ住んでいた場所です。
4歳の頃、大好きだったお父さん――警察官だった曾祖父と、よく一緒に浜辺を散歩したと話してくれました。
けれど戦争が始まり、曾祖父は出征し、沖縄で命を落としました。
「街はずいぶん変わってんたけど、この海は変わらんのやわ…」
そう言って、静かに明鏡洞の向こうの海を見つめる祖母の目は、まるで当時の少女のようでした。

祖母がこの高浜の地を再び訪れたのは、実に84年ぶりのことでした。
「ずっと来たかったけど、気がつけばこんなに時間が経ってしまっていた。今ならまだ自分の足で歩けるから、もういっぺんだけでいいで、行きたかったんや。」
そんな風に話してくれた祖母のそばで、私も初めての高浜の街を一緒に歩けたことを、心からよかったと思います。
帰り際、祖母がぽつりと言いました。
「ばあちゃんは、もう次の七年祭には来れんかもしれんけど……里菜は、また行きねの。」
その言葉はちょっと寂しいけれど、ずっと心に残っています。また次も行きたいな。
祖母が2年前に、新聞に寄稿した亡き父の思い出を読み返しながら、今年が戦後80年という節目の年であることを改めて思いました。

私たちの世代は実体験としての戦争を知らずに育ちました。
けれど、フォレスタで歌わせていただいている曲の中にも、一見明るく見えるものの、実はとてもつらい戦争にまつわる出来事を歌っている曲がたくさんあります。

(↑祖母の思い出の高浜座、ここでたくさんの演劇や芝居を観たそうです)
人は時に、同じ過ちを繰り返してしまうからこそ、思い出し、語り継ぎ、歌い継いでいくことに意味があるのだと思います。
今日、私たちが笑っていられるのは、
遠い昔の、そして少し前の「誰か」の生きる力と勇気があったからこそ。
これからの未来を、どう生きていくか。
そのひとつひとつの選択に、私もまた責任を持って向き合っていけたらと願っています。
そんなたくさんの想いが胸に浮かび残る、祖母との旅でした❣️
お祭りに行こう!と祖母の背中を押してくれて、長距離の運転もしてくれた母にも感謝です😊
ここ数日、雨や暑さ、地震など、不安定な日々も続きますが、どうか皆さまが心穏やかに過ごせますように🌸
素敵な週末をお迎えくださいね✨
