皆様こんにちは、大野 隆です。
今は公開収録、なにわdeフォレスタ、次回の名古屋公演に向けた暗譜、清瀬セレクションコンサートの構成、演出とおかげさまで充実した毎日を過ごしております。
清瀬セレクションコンサート、第一部では
「故郷」をテーマとした曲目、クリスマスソングを中心にお送りし、第二部はオペラの名曲をお届けする予定です。
そんな中、故郷の兄より懐かしい資料や写真が送られてきました。
内容は、
僕の祖父が亡くなる前に、病院の同室で意気投合した方の作った詩に、曲を付けた時の資料でした。
たまたまベッドを隣り合わせた、伊藤さんと言う方が、隠岐の風景と情感を綴った詩を見せ、祖父に作曲をしてくれないかと頼まれたそうです。
音楽教師だった祖父が隠岐で教鞭をとったこともあり、では当時を思い出しながら作ってみますと、その詩を受け取りました。
その後病院の計らいで一時帰宅し、再入院するまで病気と闘いながら、ピアノに向かって曲を書き上げたそうです。
当時小学校2年生だった僕は、おじいちゃんが退院できてよかった!と単純に喜んでいましたが、その後まもなく再入院して亡くなりました。
後に父から、病院の計らいで最後に自宅に帰らせてくれたのだと聞きましたが、退院祝いにおじいちゃんの家に行った時、心配する家族の前で「あんまり心配ばっかりすると、外に出て走るぞ〜」
と笑いながら話していた言葉を今でもよく覚えています。
一度も怒っているところを見たことがないくらい穏やかな、いつもユニークで洒落たおじいちゃんでした。
曲のタイトルは「隠岐慕情」。
亡くなった後に父がこの曲を歌い、ラジオで紹介されたところ、たまたまそのラジオを聴いた俳優の木之元亮さんが、「これはぜひ僕が歌いたい」と申し出てくださり、レコードになりました。
木之元亮さんと言えば、有名なのは「太陽にほえろ!」のロッキー刑事役。
小学校低学年の頃によく見ていたドラマなので、子供ながらに、「この人が歌ってくれるんだ!」
と、とても嬉しかったのを覚えています😌
こちらが作詞された伊藤さんの直筆の詩
少し切ない、ロマンチックな歌詞ですね。
こちらがジャケット写真
握手していただいて、満面の笑みの父☺️
亡くなったおじいちゃんに、レコードになったことを報告に来てくださいました。
祖父は東洋音楽学校(現東京音楽大学)出身で、淡谷のり子さんと同級生でしたが、祖父の時代に音楽大学に行くと言う事は、とても珍しかったそうです。
おかげで自分も音楽にご縁をいただき、おじいちゃんと同じ東京音楽大学に進むことができた時は、とても感慨深い思いでした😌
おじいちゃんの時ほどでは無いかもしれませんが、今も大変な時代の中こうして音楽を続けて行けることの贅沢さと、ありがたさを改めて感じる資料。
送ってくれた兄にも感謝です。
こちらが父の興した原譜
コード譜ですが、いつか歌ってみたいと思っています😌
Comments